社会人硬式野球クラブチーム・BBCスカイホークスが毎日新聞「部活クライシス」に紹介されました。

メディア出演

中途退部の球児、クラブが受け皿に「教育」から「競技」その真意

全国で年間数千人の高校球児が中途退部している。理由はさまざまだが、完全燃焼してほしいと、受け皿となるクラブチーム「BBCスカイホークス」を設立したのが運営会社の安田厚社長(46)だ。通信制高校に通いながら、地域に根ざして野球を学ぶ枠組みは、今後行われる部活動改革の流れにも通じる。キーワードは「教育」から「競技」だ。【聞き手・松本晃】

 ――通信制高校と組み合わせた野球のクラブチームを2014年に設立したきっかけを教えてください。

 ◆野球教室を東京・大阪・神奈川で、野球留学も米国、カナダを対象に扱っている会社を経営しており、高校野球を途中でやめてしまう子が当時、全国で年間1万人近くいると知りました。数にびっくりして、これを何とかしないとな、と思いました。その中で、通信制高校とクラブチームを合わせた仕組みにすればいいと感じました。

 ――どんな選手が所属していますか。

 ◆監督とうまくコミュニケーションを図れなかった子が一番多いです。グラウンドに平気でつばを吐いたり、指示されたことができなかったり、礼儀を守れない子たちが中心です。他にも引っ込み思案で輪の中に入っていけず、やめてしまった子もいます。こうした高校世代が全体の5割。他にも強豪校への入部を断られるなどした大学生が3割。野球をあきらめられず、次の場を求める社会人が2割ほどいます。

 ――実際、チームをどう運営していますか。

◆平日は大和スタジアム(神奈川県大和市)で、グラウンドが空いている午前中に練習をします。午後は、学生なら勉強や自主練習の時間に充て、社会人ならホテルなどの飲食店で配膳の仕事に就きます。週末は、大学リーグの2部や3部に所属する1、2年生を中心にしたチームと練習試合などを行います。高校野球では高いレベルが求められますが、僕らはそれより低く設定します。「最低限、あいさつはしよう」というレベルです。それをクリアすることで成長を本人も実感でき、社会人や大学生から「社会や大学はこうだぞ」とアドバイスももらえます。社会奉仕活動の一環で、街の清掃もしています。

 ――チームの目指す姿を教えてください。

 ◆野球は監督からサインが出て、練習メニューの指示が出てと、どうしても受け身になってしまうケースが多い。僕自身も社会に出た時、なかなか自発的にアクションを起こすことが難しかった経験をしました。自分たちで考え、自分たちで動けるように、自分たちで練習メニューを考える時間を設けています。野球を学ぶ「アカデミー」の要素が強く、野球の技術を高めていきます。そこから大学野球や独立リーグなど、もう1回真剣勝負できるところに行ってもらうのが目標です。中途半端に終わった子たちは未練たらたらで、いつまでも夢を追いかけてしまいます。野球を燃え尽きるまでやってほしいと思っています。元プロ野球選手の副島孔太さんが監督を務め、目標の大会というものはないですが、よい指導者の下で、しっかり野球ができている満足度は高いです。

 ――学校の部活動は23年度以降、段階的に地域のスポーツクラブなどに移行されます。これまでの経験から伝えられることはありますか。

 ◆「教育」という概念を外した方がよいと思います。教育を掲げるがゆえに厳しくなり、締め付けが強くなってしまいます。理想かもしれませんが、スポーツは楽しむものです。高校生はまだまだ伸びる盛りで、管理しながらスポーツをさせるのは違うと感じています。部活動をクラブ化することで、もう少しスポーツを楽しめたらよいかなと思います。米国との比較で分かりやすい例があります。日本の場合はキャッチボールから始めますが、米国の場合はバッティングからスタートします。勝利に向かって、みんなで頑張るのは大事なことですが、練習が長すぎるという弊害もあります。そこも変わっていくといいですね。

 ◇ 学校教育の一環でありながら、教員の長時間労働や少子化などを背景に、従来の活動が成り立たなくなりつつある部活動の危機を描く連載企画「部活クライシス」では、関係者のインタビューもお届けします。

やすだ・あつし
1975年生まれ、岐阜県出身。県岐阜商高、近大で野球部に所属。卒業後は三井住友銀行を経て、米国スポーツ界で交渉代理人を務める団野村氏の事務所にも勤めた。30歳で独立し、野球教室や野球留学などを仲介する会社を起業。現在はラグビーとバスケットボールにも事業の幅を広げて運営している。

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